※歯周病は歯槽膿漏(しそうのうろう)と呼ばれている事もあります。
歯周病の原因
歯周病は歯の周りに付く汚れである歯垢(プラーク)の中にいる歯周病原因菌が、歯と歯ぐきの境い目(歯周ポケット)から侵入し、毒素を出して歯ぐきに炎症を引き起こし、さらには歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしてグラグラにさせてしまう病気です。歯周病が進むと歯が自然に脱落してきたり、グラグラで物が噛めず、やがては抜歯に至ってしまうので、早期発見・予防が大変大切になってきます。
歯周病の検査
歯周病の検査ではレントゲン撮影の他、プローブという器具を使い歯周ポケットの深さを測定していきます。
この歯周病検査により歯周ポケットの状態や歯ぐきの状態、歯ぐきの下にある骨の状態を知り、治療計画を立てていきます。
歯周病の進行
正常な状態
正常な状態は、歯の根の部分を支える骨(歯槽骨)がしっかりしていて、その上に健康なピンク色の歯ぐきが覆っている状態になります。歯と歯ぐきの間のすき間も少ししか開いておらず、炎症も見られません。
【P1】 歯肉炎
歯と歯ぐきの間のすき間である歯周ポケットに汚れが溜まり、歯ぐきに炎症が起きてきます。炎症が起こると歯ぐきは腫れ色はピンクから赤色に変化して見えます。この時点ではまだ骨には影響がなく適切なブラッシングにより回復します。
【P2】 軽度歯周炎
歯周ポケットの炎症が広がり、骨が少しづつ溶けていっている状態になります。見た感じでは前段階の歯肉炎と区別がつきませんが、早めに処置をしないと骨がどんどん溶けていってしまいます。一度溶けてしまった骨は容易には元に戻りませんので注意が必要です。
【P3】 中等度歯周炎
歯周ポケットでの炎症が長く続くとどんどん骨が溶けて次第に歯を支えることができなくなっていきます。見た目では歯ぐきが下がり、歯が長くなったように見えてきます。この頃になると口臭も発生し、歯が浮いたような感じがする、物が強く噛めないなどの症状が起こってきます。
【P4】 重度歯周炎
歯の根をを支えている骨(歯槽骨)はほとんどの部分で溶けてしまい、歯の根が露出してきています。歯のぐらつきがひどく、 硬いものが食べられなってしまうばかりか、歯が自然に抜けてしまうこともあります。ここまで歯周病が進行してしまうと回復するのは困難です。定期的な歯周病チェックで前段階で食い止める事がなによりの治療法になります。
- 歯を磨いた時や硬い物を噛んだ時に血が出る。
- 朝起きた時に口が粘ったり、変な味がする感じがある。
- 歯ぐきが腫れていてブヨブヨしている。
- 歯ぐきを指で押すと歯ぐきから膿(うみ)が出る。
- 歯が浮いたような感じがあり、硬いものが噛めない。
- まわりから口臭があると言われたことがある。
歯周病の治療方法
- 主な治療法は歯周ポケットにたまった汚れを取ることです。
- 歯ぐきの下に入り込んだ歯石は簡単には取れません。
- 専用の道具を用いて治療を進めていきます。
- 失われた骨を再生することは難しいです。
- 歯周ポケットを改善する為に歯ぐきの手術をする場合があります。
歯ぐきが赤く腫れ上がる、歯石がたまり出血する等の症状の場合
歯ぐきをきれいにし(歯石などを取る)、正しいブラッシングをすることで治すことが出来ます。また抗生物質等の薬を投与することもあります。
ポケットの炎症が慢性化し膿が出る、歯が浮いた感じがして強く噛むと痛みを伴う、歯がぐらつく等の症状の場合。
歯石を取り除き、歯を一時的に固定してブラッシング、薬の投与で治すようにします。最初に悪くなった歯肉を切り取ってしまうこともあります。ただし、炎症がおさまっても、この頃は歯を支えている歯槽骨というところが溶け出していますので、ぐらつきが残ってしまうことがあります。そのような場合は、最終的な支えを取り付けて歯を固定します。
メンテナンスの重要性
歯周病治療が終わった後にお口の中の清掃状態が以前と同じ状態に戻ってしまっているなら、また歯周病が再発してしまう可能性が高いです。
歯周病治療により徹底的に周りの汚れを除去した後は、メンテナンスとして出来る限りその良好な状態を維持できるよう、定期的な検診とクリーニングをされることをおすすめします。